†トライブリード†
ダブルクロス the 3rd Edition というこのTRPGにおいて
シンドロームの多さとは即ち扱える能力の多さ。
言葉の響きに惹かれ意味もなく「トライブリードのビルドを組みたい!」
と考えたことがある人も少なくないかと思います。
ですが実際にビルドを組もうとすると…これが難しい。
トライブリードで卓に挑んだら同経験点のPCの半分くらいの火力しか出なかった、
侵蝕率が高くなりすぎて3倍振りする羽目になった、
そもそも何が強いのかわからない……
そういう苦い経験を経てトライブリードのビルドを組むのをやめてしまった、
そういう人も多いのではないでしょうか。
この記事ではトライブリードの利点・欠点を整理したうえで
フルサプリ環境でトライブリ―ドのビルドを組むうえで
意識したいポイントをお伝えしたいと思います。
この記事を読んでキミも強いトライブリードを組もう!
1トライブリードの利点について
ダブルクロスのビルドを組むうえで
トライブリードを採用する理由となりやすい要素は主に二つ挙げられます。
一つは能力値配分の都合、もう一つはリミットエフェクトの存在です。
(1)能力値配分について
トライブリードの能力値配分は3つのシンドロームの内
オプショナルに指定しなかった2つのシンドロームから決定されます。
オプショナルのシンドロームは能力値の配分に一切関わらない、というのがキモです。
具体的な例を出して説明します。
まず《マルチウェポン》を使った射撃型を考えます。
《マルチウェポン》は複数の武器を同時に使って攻撃を行うエフェクトです。
このエフェクトを用いて射撃攻撃を行う場合、
ノイマンというシンドロームの【感覚】の低さがネックとなります。
ただしノイマンは《コントロールソート》というエフェクトで
【感覚】の代わりに【精神】で射撃攻撃を行うことが可能です。
そのためクロスブリードで《マルチウェポン》を使うことを考えた場合、
【精神】が可能な限り高い組み合わせとなるウロボロスとのクロスブリードが無難です。
肉体1-感覚1-精神6-社会1 の能力値で以下のコンボで射撃攻撃を行う。
《マルチウェポン》+《コントロールソート》+《コンセントレイト:ノイマン》
一見合理的な組み合わせですが…
実はトライブリードで考えるとより効率のよい方法が存在します。
トライブリードの場合のシンドロームの組み合わせは
エンジェルハイロゥ/モルフェウス/ノイマン。
ノイマンをオプショナルシンドロームに指定します。
この場合ノイマンシンドロームは能力値配分の決定に関与しないため、
エンジェルハイロゥとモルフェウスの能力値により能力値配分が決まることになります。
肉体1-感覚6-精神1-社会1 の能力値で以下のコンボで射撃攻撃を行う。
《マルチウェポン》+《コンセントレイト:ノイマン》
これは上のコンボと振ることのできるダイスの数に差は無いですが、
《コントロールソート》が不要な分経験点が15点浮いており、
1コンボあたりの侵蝕率も低いため、
少なくとも《マルチウェポン》で射撃をするという観点においては
「より効率のよい方法」である、と言えます。
このようにシンドローム固有の能力値では使いづらいエフェクトがあるとき、
能力値配分をより適したものにする目的でトライブリードが採用されることがあります。
(2)リミットエフェクトについて
リミットエフェクトはエフェクトアーカイブから追加された特殊なエフェクトです。
取得の前提条件として、
特定のエフェクトを最大レベルまで取得することが必要となのが特徴です。
このリミットエフェクトの存在がトライブリードのビルドを考える上で
必要不可欠な存在になっています。
具体的な例を出して説明します。
改めて《マルチウェポン》を話題にあげます。
このエフェクトを最大レベルまで取得することで初めて取得できる、
《ヴァリアブルウェポン》というリミットエフェクトが存在します。
《マルチウェポン》と組み合わせて使うことでさらに多くの武器を
同時に使うことが可能になるという、独自性の強いエフェクトです。
この《ヴァリアブルウェポン》を使いたい場合、
先述の通り《マルチウェポン》を最大レベルまで上げる必要がありますが
ここでとある問題が生じます。
端的に言うと《マルチウェポン》のエフェクトレベルを
最大まで上げるのに経験点を大量に使うのがめちゃくちゃ勿体ないのです。
エフェクトアーカイブの《マルチウェポン》には達成値が下がるデメリットが存在します。
エフェクトレベルを上げることでこのデメリットが低減される仕様であり、
表記上の最大レベルとなることでデメリットが0となる…のですが。
レベルあたりのデメリット低減量が小さい為、
達成値減をただ打ち消したいだけであればエフェクトのレベルをあげるよりも
技能に振った方が効率が良い、と言うのが実情です。
この《ヴァリアブルウェポン》と《マルチウェポン》の例のように、
リミットエフェクトの前提エフェクトに経験点をあまり割きたくないときに
トライブリードが役立ちます。
トライブリードにはエフェクトの最大レベルが表記よりも1小さくなるという
おおきなデメリットがあります。
しかしこの仕様はリミットエフェクトの前提エフェクトのレベルを上げる上では
通常よりも低い経験点でリミットエフェクトを取得できるとうメリットに変わります。
その差はわずか5点ですが、
特定の経験点のレギュレーションに収めたい際には決してバカにならない数字です。
また、リミットエフェクトには
ウロボロスのコピー系エフェクトや複製体等Dロイス効果を用いても
他のシンドロームで取得する手段がない、という特徴があります。
それゆえに、特定のリミットエフェクトに対応したシンドロームを持つためだけに
トライブリードが採用されることは珍しくありません。
2 トライブリードの欠点
ここまでではトライブリードの強い側面のみを紹介しましたが、
ではなぜそのような強みがありながら使いづらいという印象を持たれてしまうのでしょうか。
使いづらさを招く要因はトライブリードの特徴であるエフェクトの最大レベルの低さと
エフェクト取得制限の厳しさにあります。
(1)エフェクト最大レベルの低さについて
リミットエフェクトの取得に際してはプラスに働くエフェクト最大レベルの低さですが、
基本的にはデメリットとして働きます。
エフェクト1つあたりの伸びしろが少ないため
クロスブリードやピュアブリードに比べて基礎火力が劣る原因となっています。
かといって多くのエフェクトを取得すると1コンボが重くなり
火力のわりに侵蝕率が高くなる一因になってしまいます。ジレンマですね。
(2)エフェクト取得制限について
トライブリードのオーヴァードは原則100%制限のエフェクトと
オプショナルの80%制限のエフェクトを取得することができません。
これらの強力なエフェクト群の取得制限はクライマックスフェイズにおける
クロスブリードやピュアブリードとの火力格差をさらに広げる要因となっています。
これらの要素によるエフェクト方面での成長幅の狭さが、
トライブリードの使いづらさを生んでいると言えるでしょう。
3 強い構成を組むためのコツについて
ここまででトライブリードの強い点・弱い点を整理しました。
では具体的にどのようにすれば強いトライブリードを組むことが出来るのでしょうか。
今までの整理を元にトライブリードを組むうえで意識したい要素を以下にまとめました。
(1)相性のいいエフェクトを使う
トライブリードの構成を考える上で最もネックとなるのは
やはりエフェクトの最大レベルの低さです。
よってトライブリードの強い構成を組むためには
その弱点が気にならないようなエフェクトの選択が重要となります。
分類するならば以下のような要素のあるエフェクトを選ぶことを意識すると良いです。
・最大レベルの低さがメリットとなるもの
(例)各種リミットエフェクトの前提エフェクト群
・最大レベルがそもそも1のもの
(例)《砂の結界》などの各種カバーリングエフェクト群
・最大レベルが比較的高いので1くらいさがっても充分に強いもの
(例)《活性の霧》などの最大レベル5係数3以上のエフェクト群
・最大レベルまで上げなくても必要な使用回数等を満たせるもの
(例)《混色の氾濫》などの各種範囲化エフェクト群
・最大レベルが低くても本来の目的を果たせるもの
(例)《渇きの主》、《復讐の刃》、《ツインバースト》など
・最大レベルが低くても係数が高すぎるので採用する価値があるもの
(例)《死招きの爪》など ※デモンズシードとの併用が望ましい
リミットエフェクトだからと言って必ずしも
トライブリードとの相性が良いとは限らないということは意識したほうが良いです。
たとえば最大レベル3のリミットエフェクトはレベル2までしか上げられないので
前提エフェクトをいくら安くとれるとはいえ最初から取らない方がマシなことが多いです。
(《死招きの爪》や《ツインバースト》のような例外もありますが…)
余談ですが100%制限エフェクトとオプショナルの80%制限エフェクトを取得できない
トライブリードでもその実120%制限エフェクトの取得は可能です。
Eロイスが多くなる環境であれば各種120%エフェクトを採用することで
クライマックスの決定力の低さを補える可能性があるので意識して損はないと思います。
例:《氷熱の軍団》、《巨獣の爪牙》など
(2)アイテムを活用する
トライブリードはエフェクトの最大レベルが低くなる分、
成長方針としてエフェクトを新しく取得することの価値がやや落ちる傾向にあります。
そのため決まった財産点や経験点で一定の効用を生み出すアイテムの価値が
相対的に高くなります。
余った経験点を積極的に強力なユニークアイテムに使うことで
他のブリードとのスペック差が開くのを抑えましょう。
どのユニークアイテムが強いかは
前書いた記事を参考にしてください。
ユニークアイテムには一部特定のシンドローム専用のものがあるため、
場合によってはトライブリードを採用する理由そのものになることもあります。
例:サングイン
(3)Dロイスを活用する
アイテムと同様の理由でトライブリードにではDロイスの価値も相対的に高くなります。
エフェクトで火力を盛りにくい分Dロイスによる火力補強の恩恵が大きくなります。
分かり易いのは「対抗種」などでしょうか。
特筆してトライブリードとの相性が良いDロイスとしては「起源種」があげられます。
エフェクトの最大レベルの低さと言う欠点を補い、
3種のシンドロームのエフェクトを使えるというメリットを最大限に発揮しやすくなります。
参考としてトライブリード専用のDロイスも2種存在します。
「奇跡の血」はやや実用性にかけるものの、
「業師」は本来取得できない制限エフェクトを取得できるため構成の幅が広がり有用です。
余談ですが「変異種」の各シンドローム限定エフェクトや、
シンドローム専用Dロイスもまれにトライブリードを採用する理由となることがあります。
例:「変異種:ノイマン」の《プレディクション》、
バロール専用Dロイスの「時使い」など
(4)能力値を考える
80%制限エフェクトの要否、実際に欲しい能力値配分を考慮して
どのシンドロームをオプショナルにするかを考えることが重要です。
トライブリードは3種類のシンドロームのエフェクトを取ることができますが、
必ずしも3種類のシンドローム全てのエフェクトを取る必要はありません。
能力値だけを目当てにシンドロームを選択することに
罪の意識を感じてたらトライブリードなんて作れないぞ!!!!!!!!
感覚目当てにエンジェルハイロゥになれ!!!!
精神欲しさにノイマンになれ!!!!!!!!!!!!!!!!
自分がトライブリードのビルドを組む時に意識していることを
出来るだけ明文化したので誰かの参考になれば幸いです。
余力があれば各シンドロームごとのトライブリード有用パーツとかまとめたいですね。